2009年9月5日土曜日

東北紀行 其の一

八月二十三日日曜日、 午後九時を過ぎて京滋バイパスに入る。 高速通行料金、土日の割引制度を最大限に利用しようという目論みである。  このサービスを初めて利用したのはこの七月の初め、 島根県の某都市まで所要があって高速を利用した。 領収書が必要で有人ゲートからetcカードを使った。 その時の料金が二千六百円・・。 思わず“エッ、千円じゃないの!?”と声に出してしまった。 ゲートの職員は申し訳なさそうに、 首都圏の高速は別途料金なんです・・と、 プリントされた明細書を差し出した。 通常は一万円を超える料金がこの価格だったわけで、 決してクレームをつけようと声に出したわけではなかった。 しかし勝手に千円と思い込んでいた私は、 出された料金に反射的に反応したのだった。 それにしても彼の職員が即座に明細書を出したところをみると、 私のようなドライバーが結構いるようである。 京都から東北へたどる高速道路は北陸道が最短である。 他に中央道から長野自動車道を利用する方法もある。 あるいは、関越道、東北道とその気になればいくらでも選択の余地はある。 しかし、名神から北陸道を通って新潟まで高速を走り、 その後九号線を走るのが最短コースのようである。 夜の九時過ぎに京滋バイパスに入り、 名神を通って米原から北陸自動車道をひた走る。 名神を走っている間は十二時前で同走車両も多い。 ところが北陸自動車道に入る辺りから、 時間的な理由もあるが途端に高速内から車両の数が減る。 更に滋賀を抜け福井県を走る頃になると、 高速を走る車はさらに疎らになる。 闇夜を走るのは何とも気分が滅入る。 日頃うるさく感じる助手席のおしゃべりも、 この時ばかりは有り難いと思ってしまう。 この北陸道、 新潟県に入ると途端にトンネルが増える。 十年以上前になるが、 この高速が貫通した初期の時代、 トンネルは対面通行だった。 雨の振り注ぐ中、 間を置いて四十以上も続く対面通行のトンネル群。 中には三キロを超える対面通行のトンネルもあるこの辺りを、 後ろに大型トラックに付かれながら通り抜けた時、 例えようもなくどっぷりとした疲労感に捕われた記憶ばかりが、 強い印象となって残っている。 しかし現在は二車線になっており、 夜道を走るドライバーにはむしろ、 トンネル内の明かりが精神的な助けになっている。 深夜のドライブでもあり、 年齢のこともあり、 途中何度も休憩を取ったのだが、 終点近く似ある村上のサービスエリアに着いたのは、 明け方の五時過ぎだった。 そこから一泊する予定の鶴岡の湯田温泉まで、 どうゆっくり走っても精々三時間。 到着の時間は中途半端なものになってしまった。 そうして夜中の高速を走って知ったことだが、 夜中といっても慣れないサービスエリアでは、 現実として何時間も休憩することも出来ないことである。 妙な疲労感を抱えて高速を下り、 それに続く国道九号線を走ったが、 今度同じ道を走る時は、 富山か新潟で高速を下り、 途中で一泊するところを探そうというのが、 闇夜に北陸道をひた走って得た結論であった。

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